※この物語はフィクションです
(前回・一章最終幕の最終節より)
解散式も終わろうとしていた時、突然、なぞの鈴の音が??
どうやらこの鈴の音、雲海さんたちには聞こえていないらしい。
あせっている雲海さんたち!
忍者学校の生徒たちの姿がだんだん透明になっていっていると騒いでいるが!?
え?
どうなっちゃうの!?
…………
【 弐章序幕 プロローグ 】
…………
「おーーい!大丈夫かやぁ??」
声をかけられ気がついた、生徒たち。
ここはどうやら島のようだ。
振り向いた先には人の良さそうな人が立っていた。
「あんたら、どっから来ただ?」
『ここは…??』
「ここは、三ノ国(みのくに)。 ひょっとして、あんたら、“飛んできた”人らか?」
『え?飛んだ??』
… って、アレ? この人って…
【 プロローグ 弐 】
三ノ国では、最近、鬼が世間を騒がせていた。
一ノ村(いちのむら)に住んでいる「桃のマーク」のついた服を着ている青年は、インドア派。
性格は「気弱」で、唯一の友だちは、いつもボールを追いかけている「たけちゃん」。
この人って、たぶん… あの人??
でも、すごく…すごく、頼りなさそうなんですけど。
【 壱 】
忍者学校の生徒たちは困惑していた。
助けてくれた親切な人が「オニちゃん」と呼ばれていたからだ。
しかも、赤色の姿にアフロの髪型… この人って完全に…「鬼」??
そして極めつけは、その「オニちゃん」と呼ばれている人と「柳 雉雄(やなぎ きじお)」と言う人がとても仲良さそうにしているコト… この人って「キジ」?だよね!?
彼らの話によると、忍者学校の生徒たちは別の世界から飛んできた(ワープした)らしい。
実はオニちゃんも別の世界から飛んできた人で、三ノ国で物知りな「頭領(←キジの別の呼び名)」と帰る方法を探しているらしい。
頭領が言うには、
「伝説の男に、伝説の剣で切られたら、切られた人とその周りにいる人たちがまとめて飛べる(切られても痛くない)」らしい。
だったら、さっさと「伝説の男」を探して切ってもらおうと言う生徒たちだったのだが…
【 弐 】
伝説の男の血をひいているのは「桃太(ももた)」と呼ばれる青年だった。
オニちゃんと頭領が困っていたのは、この桃太が臆病者のインドア派で、そもそも家からなかなか出てこない人だったからだ。
オニちゃんたちは、色々悪さをしたら桃太が倒しに来ると思い、玄関の植木鉢の場所を変えたり、靴の右と左を逆にしてみたり、迷惑がかからない程度の悪さをしてみたがまったく反応がない模様。
そこで、桃太の友だちの「たけちゃん」に相談したところ、
「桃太に外が怖くないコトを知ってもらい、興味を持ってもらったら出て来れるようになるかもしれない」と言う。
忍者学校の生徒たちも、桃太に切ってもらわないと元の場所には帰れない。
生徒たちは、オニちゃん、頭領と協力して「帰るため作戦」開始!
【 参 】
作戦の途中、一ノ村(いちのむら)の桃太の友だち「たけちゃん」と、二ノ村(にのむら)の「ハオッチ」が仲間になることになった。
しかし、会ったばかりの、たけちゃんとハオッチはケンカばかり…
まさに「犬猿の仲」。
【 四 】
夜、頭領とオニちゃん、たけちゃん、ハオッチは予行練習をしていた。
『よし! じゃあ、桃太が来たらオニちゃんは悪い感じになって』
「こんな感じ? ガオー!」
『なんか違う気がするけど、まぁいっか。で、たけちゃんとハオッチは「悪いやつだー!」的なコトを言って』
「分かったよー」
『で、忍者の皆さんは「桃太ガンバレー!」的な感じでお願いします』
「分かりましたー」
『準備は万端!あとは桃太が来るのを待つのみ!桃太に楽しい場所だって分かってもらえるように山の宴をして待っていよう!』
【 五 】
そろりそろり…
『ぁ… たけちゃん… なんだよ~すごく怖そうなところじゃないか。 帰ろうよ…』
「大丈夫だよ!桃ちゃん! ほら!新しい友達の頭領とハオッチだよ」
『 … たけちゃん、やっぱり帰ろうよ…』
桃太は今にも泣きそうである。
オニちゃんが出てくる 「ガオーー!」
『わーーーーーっ!!』
なんと桃太は腰を抜かしてしまった。
「えーー!」
それを見たオニちゃんは驚きのあまり腰を抜かす。
もう訳の分からない状況であったが、頭領が叫ぶ 「コイツは悪いやつだー」
生徒たちも桃太を応援するが…
『ムリ~~』 桃太は座り込んでしまった。
「ちょ! すいません。サクっと、サクっと来てもらっていいですか?」
『ムリだよ~』
【 六 】
その時だった。
「ふはははは~ 伝説の男がこんな腰抜けとは… 心配して損したわい!」
『なにやつ!』
「おまえらはどうでもいい!そんなことより、この忍者どもがこの世界からワープされては困る!その刀をよこせーー!」
『え?? どうゆうこと!?』
怪しげなやつが桃太に襲いかかる!逃げ惑う一同…
混乱の中、たけちゃんが叫ぶ 『桃ちゃんはボクが守る!!』
伝説の刀を取り、たけちゃんは走り出した。
怪しいやつは、たけちゃんを追おうとするものの忍者たちの活躍によりその場を逃げて行った。
【 七 】
『たけちゃんが… たけちゃんが…』
桃太は泣きじゃくるばかり。
大変なコトになった。たけちゃんの身が危ない。
泣いてばかりの桃太に、ついにハオッチがキレた。
「やい!桃太!! おまえ、どーすんだよ!大事な友だちなんだろ!」
『ムリ… こわい。 できない。こわい…』
「かーーーー! 何言ってやがる! もういい!桃太!おまえはずっーとそうやっておびえてな! たけちゃんはオレが助けに行く!」
『 ……ボクも…助けたい…』
「え? だったらはじめからそう言えってんだ!」
翌朝からみんなでたけちゃんの大捜索をすることとなった。
【 八 】
翌朝、忍者学校の生徒たちも一緒に村の中の大捜索が始まった。
聞き取りをしていくと、怪しい場所がしぼられてきた。
『たけちゃん!!たけちゃん!!』
たけちゃんはドラム缶の中に刀を持ったまま隠れていた。
桃太は泣きじゃくるばかりだった。
【 九 】
最後の時間が近づいていた。
オニちゃんが口を開く 「頭領… 今までお世話になりました。桃ちゃん、たけちゃん、ハオッチ、そして忍者のみんな。友だちになってくれてありがとう。」
「さぁ、桃ちゃん!切ってくれ!!」
『でも…』
「桃ちゃん。君は怖かったのに外に出られた。そして新しい友だちも作れた。君は強くなったんだ。君ならできる。君にお願いしたい」
桃太は刀を振りかぶる…
その時だった!
「そこの腰抜けどもー!この忍者たちが次の世界に飛ばれてしまっては困る!その刀をよこせーー!」
敵がせまってくる!
「桃太を守れーー!」 頭領が叫ぶ。
敵に襲い掛かるオニちゃん、ハオッチ… そして頭領。次々にやられていく。
「わーーー!」たけちゃんは敵に向かっていくが捕まってしまう。
「桃ちゃん! 逃げて!逃げてーーー!!」
【 十 】
『うぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーー!!!』
桃太は雄たけびをあげた。
一人で敵に立ち向かっていく桃太。
倒されても何度も何度も立ち向かっていく。
一瞬のスキをついた桃太が敵を切り抜いた。
【 終 】
突然鈴の音が聞こえる。オニちゃんと生徒たちが消え始める。
「なるほど。敵を切ったから!」
「ははは!こいつはすげぇや!任務完了だぜ!」
「ほんとに消えてくみたいだ!」
『 …オニちゃん、忍者のみんな!来てくれてありがとう。 ボク…ボク、いつまでも忘れない!ありがとーーー!』
仲間と共に戦い「鬼ケ島」からいなくなった「オニ」。
桃のマークの青年と、三人の仲間たちはその後、英雄として世間からもてはやされることになります。この物語は、その後伝説となって語り継がれていく青年のお話。 その青年の名は……
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無事、三ノ国から脱出することができた、忍者学校の生徒たち。次に彼らを待ち受けていたのは…